2008年11月4日火曜日

米国・イラク安全保障協定に対するイラク自由会議の声明

イラク自由会議第8回中央評議会総会 2008年10月17日  

米国政府は、イラクを米軍の駐留と政治介入、そしてイラクの経済的資産と富を完全に支配する権限を確保するための協定にしばりつけようと計画している。
 
この条約は、条文やアメリカの要求がいかなるものであろうとも、対イラク戦争と占領を推進した口実が、イラクに大量破壊兵器が存在する疑いがあるとかイラク国民を全体主義政権から解放するとか民主主義を広げるといったこととは、何の関係もなかったことを再び暴露している。この協定は中東地域におけるアメリカの支配権を強化し、世界にアメリカによる帝国主義を押しつける計画をする新たな舞台なのである。
 占領を支持する政府は1990年以来押しつけられてきた国連による経済制裁からイラクを救い出し主権を回復するものだと言ってこのような協定を正当化しようとしている。占領の筋書きと政治過程に参入してきた野党はイラクの主権を損なうと言って協定の中のいくつかの部分に反対している。このことが意味するのは、アメリカによる命令権が変化し減少しようとも、結局この屈辱的な協定にイラクが署名することに野党は反対しないということなのである。その一方で、イランの聖職者政権とイラク国内のその同盟者や傀儡たちは、自分たちがイラクの主役となり占領軍とアメリカに取って代わるためにこの政治過程を阻止しようとしている。

 ロシアの勢力の台頭と巨大な経済危機は世界に直接の衝撃を与え、アメリカによる世界一局支配の終焉は、中東における警察官の役割を演じるために中東地域において同じ支配権を維持しようとあらゆる努力を注ぐアメリカ政府にとって米国・イラク駐留協定は全く必要不可欠なものとなるだろう。
 その一方で、米国政府がイラク国民に押しつけようとしているこの協定は、実際には、恒久的なアメリカ軍の駐留を通じて、イラクのあらゆる主要な政治上、安全保障上、経済上の要素に対するアメリカの支配を実行することなのであり、アメリカ軍の駐留を合法化することはイラクの安全を損なうだけでなく、中東地域全体の安全が危機に瀕するだろう。そしてイラクは、アメリカとイラク国内の恒久的な米軍基地に代表される国際的テロと闘うテログループにとっての恒常的な戦場であり続けるだろう。
 経済的な問題では、イラクの富は一握りのアメリカの企業や仲買業者たちの手に落ち、より大きな規模で貧困や飢餓や失業や非識字や債務が支配する社会を作り上げるだろう。
 政治的なレベルでは、自由と平等と幸福を求める自由獲得の運動が弾圧されることが避けられない。というのも、この運動はアメリカ軍を支えてきた企業とあらゆる勢力の利害と衝突するからであり、言い換えればイラクが中東地域の自由擁護の運動を打ちのめし抑圧する時代逆行の基地に変わるであろうからである。
 
イラク自由会議は、イラク国民と中東の利益に露骨に敵対するこのような協定を拒否する。そしてイラク政府や国民議会のどの政党がこの条約に署名しようとも、何の正当性もない。  占領を支持しその勢力圏の中をうろつく者たちは、自分がイラクの国民大衆に対して最も大きな最も汚い陰謀をめぐらしているのだと言うことを知らなければならない。  このような協定を打ち倒す闘争は占領軍を追い出しその計画を破綻させるイラク自由会議の闘いの一部である。 占領を終わらせその全ての計画を一掃することなしに安全も安定もあり得ないのである。