2008年1月20日日曜日

宗派主義ギャングに反対して立ち上がり女性の殺害を終わらせよう

イラク自由会議 2008年1月16日

 バグダッドのIFC本部で、特にバスラし(バグダッド南方500km)における武装ギャングどもによる女性の暗殺が最近増加していることについて記者会見が開催された。

 フリヤル・アクバルIFC女性局長は、「私たちは女性殺害を終わらせなければなりません。女性は今日、宗教主義、宗派主義のギャングどもに対してあらゆる手段を使って自らを防衛するどんな権利も持っています。」と話した。彼女はまた、そのような犯罪が犯されているのに犯罪者どもが罰をのがれて何の重大な結果も被らないのを、IFCは何もしないで傍観することはなかったしこれからも傍観しないだろうと語った。「私たちの経験では、こうしたギャングどもは深刻な行動を起こさなければ犯罪をやめることはないでしょう。」と彼女は付け加えた。記者会見は数十の衛星放送チャンネルと記者団が出席し、記者会見の内容を引用した。

 特筆するべきことだが、フリヤル・アクバルはイラク自由会議によって開始されたキャンペーンの一つとして、同じ問題についてキルクークで記者会見を開催した。

アレキサンドリアで100人以上の女性がイラク自由会議に加盟

メディアセンター/アレキサンドリア イラク自由会議 2008年1月1日

 イラク自由会議はアレクサンドリア市(バグダッド南西60km)で大衆集会を開催し、宗派間暴力のために住居から逃げ出さざるを得なかった、追い出された家族や未亡人や孤児たちに人道的な支援を届けることを実行し確約した。ナイム・モサ(IFC中央評議委員)によって開会が行われ、彼はIFCの役割と、IFCが民衆の中に存在し続けていること、IFCは宗派の違いによる分け隔てを拒否していることを説明した。彼はまた、イラク全土に広がっているIFCのスローガンである「シーアでもない、スンニでもない、我々は人間だ。占領は人類の敵だ」がどれほど重要なものであるかを強調した。

 その後、ザイナブ・アリ・アブドゥラー(IFCアレキサンドリア支部女性問題担当)が演説を行い、その中で彼女はこの困難な時期にIFCが取り組んでいる尽力を高く評価した。集会には多数の女性が出席し、彼女たちの中から100人以上がその場でIFCに加盟した。

2008年1月18日金曜日

パキスタンにおける法の支配を支持しよう

コードピンク 活動通信 2007年12月27日

 私たちの心と気持ちはベナジール・ブットの死を悼むパキスタン民衆と共にある。私たちは彼女の家族と、数十年来ブット一家を励ましの源泉であると見てきた幾百万もの支持者たちに、深い哀悼をささげる。私たちはまた、この凶悪な犯罪で殺害された他のパキスタン人の家族に対して弔意を表明する。

 私たちコードピンクは、「次の戦争を今とめよう」を執筆している時にブット元首相と連絡を取り合っていた。実際、ブットは快く一文を寄せてくれてが、それは過激主義と「地球上に誰も勝者がいないハルマゲドン[大決戦]に至る文明間の衝突」に反対するための主張であった。
 もしもブットの死が何かを証明するとしたら、それはムシャラフ政権が完全に失敗し、ムシャラフを支援するブッシュ政権の政策が完全に失敗したと言うことである。パキスタンの市民社会は長らくムシャラフの辞任を要求してきたのである。今やナワズ・シャリフ元首相のような新しい指導者がこの要求に自らの声を付け加え、ブットの死の責任はムシャラフにあると主張して彼の退任を要求している。

 コードピンクは、ムシャラフが民主的なパキスタンに今日立ち向かう最大の障害物であるということに同意する。彼は過激主義者と闘うこともできないし、法の支配を尊重する社会を築き上げることもできない。コードピンクの共同創設者のメディア・ベンジャミンと活動家のタイゲ・バリーが最近、彼の独裁主義のやり口を味わったのであるが、二人は政府機関員に銃口を向けられて誘拐されカー・ジャックされ、それから国外追放されたのであり、その理由は民主主義支持の運動を支援したからである。

 アメリカ政府はこの機会を使ってパキスタンに対する政策を根本的に変えなければならない。ブッシュ政権はムシャラフに対する揺るぎない支援者であり、2001年以来100億ドル以上の財政支援を彼の政権に提供してきた。ムシャラフがパキスタンの民主勢力を攻撃するためにアメリカの資金を利用したために、パキスタンの穏健な政教分離勢力の中で反米感情が高まることとなった。アメリカ政府に対して、ムシャラフが退陣して暫定政権が独立した司法を回復し、報道機関に対する規制を撤廃し、公正な選挙の条件を準備するまで援助を差し止めることを求める私たちの署名に協力してもらいたい。

 私たちはまた、パキスタンで過激主義が増大する重大な根本的理由の一つへの注意の集中を開始しなければならない。:すなわちそれは極端な貧困であり、特にアル・カイダが最も活動を活発にしている部族地域で特に根強いのである。

 ベナジール・ブットは私たちの本のために書いてくれた文章の中でこのことについて語った。彼女の言葉は当時心を強く打ったが、彼女の死に際してなお一層心を打つものである。
 「宗教的過激主義の背景に背を向けて増大している貧困を無視しても、すでに困難な世界の状況を悪化させるばかりである。対テロ戦争とは第一に暴力の使用をもとにした戦争だと理解されている。しかしながら、経済自身が暴力を持っているのである。ちょうど自ら食べることができない家族の自暴自棄が持つように。」
 「戦争好きや強欲というものは大きな希望を持って始まった新世紀を特徴付けるイメージになることはできない。私たちは精力の方向を向け直して、民主主義の価値や、責任性や、広範な基盤を持つ政府や制度を推進しなければならないし、そのことで民衆のまさに現実の、まさに緊急に必要なものに応えることができるのです。」

 パキスタンにおいてであろうが、自分の国においてであろうが、私たちは寛容と協力と人類家族の緊急の必要を満たすことをもとにした世界を築くことに献身することで、ベナジール・ブットに賛辞を送ることができる-そしてそれらがもっと平和な世界の主要な柱なのである。

連邦議会はイラク戦費700億ドルの白紙小切手の投票を行う見込み

UFPJ(平和と正義のための連合)活動通信 2007年12月10日

 イラク占領の無条件の予算に700億ドルも認めるであろう民主党と共和党との間の連邦予算の取引は、当分は効力を失ったように見える。しかしながら、電話や議員事務所への訪問はなお必要である。連邦議会は12月14日の金曜日を越えて政府の業務を維持するための予算法案を通過させなければならないので、共和党がどの予算法案にもイラク戦費を含めるのだと主張する危険性が残っている。我々は、連邦予算法案には、撤退以外のいかなるイラク戦費も決して入れてはならないと民主党と共和党の両党に明言しなければならない。

当初の活動通信
2007年12月10日: 連邦議会上院の指導部は悪魔との取引をする用意ができているようである。もしもブッシュが上院の国内財政支出を行えば、連邦議会はブッシュの非合法で破壊的なイラク占領費用を支出するだろう。弱点を知っているので、ブッシュは700億ドルの対イラク戦費の白紙小切手と一緒に必要不可欠な国内財政支出計画の増額を提供したり要求する用意はないようである。投票は早ければ本日火曜日にも行われるかもしれない。

 はっきりしているのは、こんな取引の敗者はイラク国民とアメリカ合衆国の国民だと言うことである。
 連邦議会の側では、兆候はいまだに錯綜している。金曜日には進歩議員連盟とイラク撤退議員連盟の議長であるリン・ウルジーとバーバラ・リーとマキシン・ウォーターズが民主党の指導部に手紙を書いて、アメリカ兵士を守り彼らのイラクの外への完全な移動に「厳しく予算支出を限定」しないいかなる法案にも反対すると述べている。

 我々は、電話をかけ、eメールを送り、訪問をし、議員事務所を占領して退去を拒否してきた。連邦議会の多数の議員がメッセージを受け取ったが、彼らはそれを思い出すことが必要であり、メッセージをまだ受け取っていない議員はもう一度その言葉を聞くことが必要だ。

 この予算支出を巡る闘いは長引き、いらいらさせるものではあるが、切迫して重要なものだ。我々はみなさんにお願いするが、今日、あなたの選挙区の上院議員や下院議員にメッセージを送る時間を取ってもらいたい。

 適切だと思われる方法を選んでいただきたい。:

  • 短い警告であることは分かっているが、友人を集めて、あなたの選挙区の議員の地元かワシントンの事務所の1カ所かそれ以上を今日か明日、訪問しよう。占領を終わらせろと力強く要求しよう。平和的な議員訪問は、短く終わるかもしれないし、十分な時間続いてイラクで殺された市民と兵士の名前を読み上げる時間があるかもしれないし、あるいは、継続して全てのアメリカ兵士と軍契約者の即時撤退に結びつかない全ての予算支出に反対すると国会議員が約束するようになるかもしれない。
     訪問活動を組織することができたらUFPJのホームページのカレンダーに投稿していただきたい。

  • 訪問活動を準備できなければ、電話であなたの選挙区の国会議員の事務所をあふれさせよう。連邦議会の電話交換台202-224-3121を通じて上院議員と下院議員の両方に連絡を取ることができる。
     彼らに言ってやろう。:アメリカ軍兵士と軍契約者の即時撤退を要求しないイラク占領のどの予算支出にもNOの投票をしろと。

  • 地元の新聞の編集者に短い手紙を書こう。あなたはイラクに関するニュースが新聞の一面から抜けてしまっていることに気がついているかもしれない。他の読者は連邦議会がイラク戦費に700億ドルの白紙小切手を与えることを検討していることを知りたがるだろう。軍人家族でさえこの戦争が間違いであり兵士は帰国するべきだと言うことに同意していることを示している、ロサンゼルスタイムズとブルームバーグ社の共同世論調査の結果をあなたは中に入れたいかもしれない。


 背景説明:

 連邦議会は政府と政府サービスの予算に必要な政府歳出法の大部分を通過させていない。連邦議会が先月通過させた暫定財政支出法案(「継続決議」)は12月14日に期限切れとなるので、議会は政府機関の閉鎖をさけるためにはその前に何らかの予算法案を通過させなければならないのである。戦争支持派の議員はこれを無条件のイラク戦費の投票を押しつける機会だと見ている。我々は舞台裏で起こっていることについてスタッフやメディアから矛盾した報告を受けている-しかし連邦議会は何らかのイラク戦費法案を検討するようである-一括支出法案(政府の全省庁の歳出法案を一つの巨大な財政支出法に一括するものである)とならんで、戦費は700億ドルにものぼるのである。連邦議会では民主党指導部が来年まではイラク戦費支出を取り上げないと約束している-しかし、その約束を反故にするかもしれないという気持ちを抱かせる兆候も存在する。

IFC女性局が最近のイラク女性に対する暴力についてキルクークで記者会見を開催

最近イラクで深刻で憂慮すべき問題となった、女性の殺害に反対する、IFCによって開始されたキャンペーンの一つとして、IFC女性局が2007年12月15日にキルクーク市で記者会見を開いた。記者会見はフィリヤル・アクバル女性局長と女性活動家のアジーバ・マジードが主催し、クルド語とアラビア語の衛星放送局や、キルクーク市の女性団体や活動家の代表多数が出席した。

 アクバールはこの深刻な問題についてのIFCの声明を読み上げて発言を始め、イラクの女性に対する殺害が拡大していることについて詳しく話し、IFCは何の対応もなしに座視してこの問題が大きくなるようなことはさせないと強調した。彼女は、IFCが女性を殺すギャングどもに立ち向かうことによって、IFCの支部が活動しているところではどこでも女性を守るために活動すると話した。

 彼女はまた、この記者会見は運動の開始であり、他の都市もこの運動に参加することになるだろうと付け加えた。この記者会見は強い政治的な反響を呼んでいる。

 特筆するべきことだが、イラク自由会議の対外関係事務所はこの問題を討議するためにバグダッドの国連人権委員会と会合を持った。

バグダッドのアル・フセイン地区で数百人がイラク自由会議のスローガンを繰り返す

イラク自由会議 メディア・センター 2007年12月15日



 バグダッドのアミリヤ地区のアル・フセイン地域で開かれた結婚式で、多数のIFCとサナテレビのメンバーに随行されたハッサン・クリルダールIFC副議長は、「スンニでもない、シーアでもない、我々は人間だ」とシュプレヒコールを上げる大衆によって暖かい歓迎を受けた。
 ハッサン・クリルダールは参加者にIFCの考えと「スンニでもない、シーアでもない、占領は人間の敵だ」という一つのスローガンの下で占領軍と宗派主義ギャングどもに立ち向かう必要があることを話した。
 また、サナテレビは多数の地域住民とインタビューを行い、住民は宗派主義ギャングたちと占領軍に対する怒りを表明した。
 軍隊のパトロール隊が結婚式の集まりの中を通ろうとしたが、彼らは結婚式の参列者が移動したり道をあけたりしなかったので引き返して別の通り道を使った。
 結婚式は占領と宗派主義ギャングに反対する地区の政治デモンストレーションに代わり、参加者たちは「スンニでもない、シーアでもない、我々は人間だ」のスローガンで結婚式の歌を歌った。
 さらに、IFCの新聞が配布され、このスローガンが地域に張り出された。そして地域の名士が民衆の家を開設してIFCの基本思想と考えを人々に教育してほしいと要請した。
IFC女性局が最近のイラク女性に対する暴力についてキルクークで記者会見を開催

 イラク自由会議 メディア・センター  2007年12月17日

最近イラクで深刻で憂慮すべき問題となった、女性の殺害に反対する、IFCによって開始されたキャンペーンの一つとして、IFC女性局が2007年12月15日にキルクーク市で記者会見を開いた。記者会見はフィリヤル・アクバル女性局長と女性活動家のアジーバ・マジードが主催し、クルド語とアラビア語の衛星放送局や、キルクーク市の女性団体や活動家の代表多数が出席した。



 アクバールはこの深刻な問題についてのIFCの声明を読み上げて発言を始め、イラクの女性に対する殺害が拡大していることについて詳しく話し、IFCは何の対応もなしに座視してこの問題が大きくなるようなことはさせないと強調した。彼女は、IFCが女性を殺すギャングどもに立ち向かうことによって、IFCの支部が活動しているところではどこでも女性を守るために活動すると話した。



 彼女はまた、この記者会見は運動の開始であり、他の都市もこの運動に参加することになるだろうと付け加えた。この記者会見は強い政治的な反響を呼んでいる。



 特筆するべきことだが、イラク自由会議の対外関係事務所はこの問題を討議するためにバグダッドの国連人権委員会と会合を持った。

南部イラクの部族の大会でイラク自由会議が暖かく歓迎され、その政策が行動計画として採択される

イラク自由会議 バスラ・メディアセンター 2007年12月8日
 「占領にNO、宗派主義と屈従にNO、石油ガス法にNO」のスローガンの下で、南部イラクの諸氏族が2007年12月8日にバスラ州で大規模な大会を開催した。これらの氏族はイランによるイラクの国内問題、特にバスラ市への介入に強く反対している。
 過去4年間の行為のゆえに、宗教政党や宗教組織は大会に招待されなかった。しかし、イラク自由会議はテロと占領と宗派主義に強く反対しているがゆえにこの大会への参加を呼びかけられた。
 イラク自由会議は、アブ・ワッタンが代表となり、いくつかの大会決議の策定に有力な役割を果たし、それはアルジャジーラ・テレビにも報道された。
1.反石油法戦線の闘争を支持する。
2.石油法案を拒否し、法案を阻止するように諸政党に呼びかける。
3.キルクーク市における人間としての出自を維持し、平和的な共生を可能にする特別の措置   を提供する。
4.イラク人の殺害あるいはあらゆる種類の腐敗に関与しなかった全ての囚人と拘束者を釈放   する。
5.宗派間の殺人と民族浄化を止める。
6.民族や宗派をもとにしてイラク社会を分断する連邦主義を拒否する。
 特筆するだけの価値があることだが、多数の発言者が占領と、テロと、宗派主義と、イランによる介入を強く糾弾した。
 ナシリヤの代表団と多数の警察署長がこの大会に参加した。イラク自由会議の代表団は、アブ・ワッタンIFC中央評議員とアブデル・カリム・カセムIFC中央評議員補佐で構成された。
 この大会はアルシャルキアやバビリヤやアルジャジーラなど、多数の衛星放送チャンネルに報道され、アブ・ワッタンに焦点が当てられた。その発言は対イラン戦争を開始しようとするアメリカの脅迫を強く糾弾していることを知ったジャーナリストたちの注目を集めた。

女性を殺害するギャングどもに反対して立ち上がらなければならない

身元不明のギャングどもがイラクの各都市で一連の組織犯罪と多数の女性の殺害を開始し、特にバスラでは最近の5ヶ月間で40人以上の女性が殺害された。そうした犯罪に加えて、これらのギャングどもはベール[ヒジャブ]をかぶらない女性に対してイスラム法に従って頭にスカーフを着ろ、そうしなければ厳しい結果になるぞ、と脅迫した。こんな残虐行為がバスラとイラク全土の女性とその家族の中にパニックを広げたにも関わらず、政府はそのような犯罪者たちを止める動きを全く作らなかった。この種の行為は、そのような犯罪の背後にイラク社会にイスラム法を押しつけようと必死になっている宗教グループが存在することを暴露している。このような行為と残虐な行いが、略奪や盗みや腐敗や反対者に対する暗殺のために利用されている民兵を基盤とした4年間のあげく、こうしたグループが政治的、社会的な力をおとろえさせているという背景となっているのである。
 このような行為は、こうしたギャングどものおきてや習慣や伝統を殺人やテロによってイラク社会に押しつける、新たな一章である。これらのグループはそうした犯罪の基盤を作りその凶暴性を解き放ったイラク占領の産物である。したがって、占領軍はこうしたギャングどもの行為について全ての責任があるのである。
 イラク自由会議はこのような残忍な行為を強く糾弾し、イラク全土の全てのIFC支部に対して、安全部隊を設立して、女性を守り、これらの犯罪者に対して立ち上がり、彼らが出てきた洞窟に追い返すように呼びかける。
 それと同時に、イラク自由会議はイラクの女性に行われているこの凶悪な犯罪について世界の自由擁護勢力の関心を喚起し、イラクの女性を守る法律を実行するように政府に圧力をかける抗議行動を組織するものである。

「ネイション」誌にビル・ワインバーグさんが寄稿

ビル・ワインバーグ

ネーション誌 2007年12月24日号

 現在進行している大量殺人によって大見出しからは隠されているが、イラクには活発な市民によるレジスタンス[抵抗運動]が存在し、占領軍と占領軍が保護している拷問政権と、そしてまたイスラム主義やバース主義の反乱者にも反対している。攻撃を受けているこの反対勢力-それは抑圧と暗殺の脅威の下にさらされている-は女性の基本的な自由を生き続けさせるために闘い、ハリバートン社や他の契約企業に反対する労働者の闘いの先頭に立ち、イラクの石油や他の資源の民営化に反対し、政教分離したイラクの将来を追求している。彼らが強調していることだが、いわゆる「イスラム政治勢力」が紛争の両方の側-すなわち、対占領協力者の政権と武装反乱者である-を支配している。このどちらの側もが反動的で疑似神権政治的な体制を押しつけようとしているのである。
 政策研究所のフィリス・ベニスがこのジレンマを明確に述べている。:「アメリカによるイラク侵略と占領の当初から巨大な問題が存在する。すなわち、我々が耳にする唯一のレジスタンスは軍事レジスタンスなのである。主要な分野の組織-石油労働者や女性や人権擁護者や他の多くの人たち-は全て、自らの安全を大変な危険にさらしながら、占領に反対する活動を続けてきた。彼らの多くは地域で活動をしていて、ほとんど全てがアメリカが支配するグリーン・ゾーンの外で活動しているので、彼らの活動に出会うことは西側のほとんどのジャーナリストはないし、アメリカの主要メディアのジャーナリストが出会う機会はほぼ全くない。」
7月4日にバグダッドで人気の高い市民の自己防衛部隊の指導者が殺害された。イラク自由会議(IFC)-それは市民レジスタンスの連合体である-によると、アメリカ軍の特殊部隊とイラク国家防衛隊が午前3時にアブデル・フセイン・サダムの自宅を襲撃し、警告も発せずに彼と彼の若い娘に発砲した。襲撃者たちはアブデル・フセインを連れ去り、血を流したままの娘は床に放置した。2日後に彼の死体が地域の遺体安置所で発見された。昨年来、アブデル・フセインは地域住民を守るためにIFCによって組織されている市民パトロール隊である安全部隊の指導者となっていた。他の多くのIFCメンバーと同様に、彼はサダム・フセイン政権の反対者であり、1990年代に2年間投獄された。彼の死は世界のメディアによってほとんど無視された。
 しかしながら、8月3日、日本の反戦グループの全交-平和と民主主義をめざす全国交歓会の略称である-の約100人のメンバーが虐殺に抗議して東京のアメリカ大使館の近くに集まった。一つの横断幕にはこう書いてあった。「アメリカ-イラクの治安部隊は市民の権利を推進しているのか、それとも独裁国家の殺人行為を推進しているのか?アブデル・フセインは死体で見つかったぞ!」と。
 ここで発言した中に2人のIFCの指導者がいて、その一人はサミール議長であったが、彼はこう言った。「アブデル・フセインは『スンニでもない、シーアでもない、人間にイエス』といったが故に、占領のない、宗派主義民兵のいないイラクの市民社会を建設しようとしたがゆえに、まさにそのために、彼らはアブデル・フセインを殺害したのです。彼らは、自由な社会にイエス、非暴力の社会にイエス、占領にノー、宗派主義ギャングどもにノー、と発言するイラクの唯一の声であるIFCを打ち倒せると思っています。しかし、それとは反対に、アブデル・フセインの暗殺後、多数の人々がIFCに加入しました。私たちは世界中から連帯のメッセージを受け取りました。みなさんのような民衆の支持がある限り、私たちは決してあきらめません。」
 IFCは2005年に結成され、労働組合や女性団体や地域の住民集会や学生グループを政教分離したイラク国家と占領の集結という2つの要求によって結集した。過去1年間の全交のもっとも顕著な成果は40万ドルの募金を集めたことであり、そのことでIFCが衛星テレビ局のサナテレビを開局する支援を行ったのである。
 サナテレビのロンドン・スタジオの責任キャスターで、バスラ出身の亡命者のナディア・マフムードは抗議行動参加者たちに言った。「私たちがIFCを結成したのは、占領にも、スンニ派やシーア派の民兵にも反対するためです。イラクに民主主義を持ち込むためにやって来たのだと言っているアメリカが、私たちの指導者を暗殺し私たちの事務所を襲撃するのはこれが理由です。そして、だからこそ私たちは占領を終わらせろと要求しなければならないのです。」
 他にもIFCの指導者たちは暗殺されてきた-それは普通、正体不明の民兵によって行われる-そして、IFCの本部およびサナテレビの国内スタジオとして使われているバグダッドの事務所はアメリカ軍によって2回にわたって襲撃された。マフムードとアディルが言うには、IFCはますます成功を収めているがゆえにそれだけますます脅威となっている-組織労働者と団結してイラクの石油の民営化に反対し、政教分離の反占領勢力を共同戦線にまとめ、バグダッドやその他の都市で宗派主義民兵から地域を解放しているのである。
 一方でアディルはIFCの安全部隊は武器を携行していると言う。-「イラクのどの家庭にもライフルがあります。これは武器がどのような使われ方をするかの問題にすぎません」-彼はIFCが市民による闘争を追求しているのであり、IFCのメンバーは反乱者ではないと強調する。「基本として私たちは武装レジスタンスの権利は当然あると考えています。」とアディルは言う。「しかし、今イラクに必要なのは市民レジスタンスだと私たちは確信しています。武装レジスタンスはイラクにテロをもたらしただけで、イラクを国際的な戦場に変えてしまったのです。」
 アディルはまた、サダム・フセインの独裁に反対する政治や労働者の闘いのベテランでもある。1992年に6ヶ月間投獄され、彼は牢獄で拷問を受けた。-彼は決して帽子を脱がないが、頭皮からこめかみに長い傷跡がのびているのが見える。彼はカナダでの亡命からイラクに帰国し、独立した政治的反対勢力の復活を助けた。
 アディルによれば、この反対勢力は2つの敵、すなわち占領軍とイスラム政治勢力に立ち向かっていると言う-スンニ派はアルカイダと結びつき、サウジアラビアに支援されているし、シーア派の民兵はイランから様々な段階の支援を受けている。これらの勢力がバグダッドを敵対陣営のつぎはぎ細工に変えてしまった。IFCは指導者の中にスンニ派とシーア派の両方の政教分離派のムスリム(そして無信仰者)を入れている。クルド人やさまざまな伝統を持つ人々も入れている。アディルの主張によるとIFCは現在バグダッドやバスラやモスルやキルクークやティクリートなど20都市に存在している。「私たちには幾千幾万もの支持者がいます。私たちは日々大きくなっているのです」と彼は言う。10月21日にキルクークで開催されたIFC第1回全国大会には、イラクの全ての主要都市から選出された代議員が出席した。
1年以上前にフセイニア地区で創設された約5000人が住むIFCのバグダッドの自治地区は、宗派浄化によって引き裂かれた町にある共生の孤島になっている、とアディルは言う。安全部隊のおかげで、その地区は宗派主義民兵の立ち入り禁止地帯となった。「2006年9月以来、フセイニアでは宗派主義者による殺人は起こっていません。」とアディルは誇る。IFCはバグダッドのスンニ派・シーア派の混住地区でさらに多くの自治地区を設立するために活動中であり、キルクークにも同様の自治地帯を持っている。
 アディルは暴力的な宗派主義の危機を作り出した責任をどこに求めるかについては明確である。「占領軍とアメリカが押しつけた憲法がイラクをスンニ対シーアへと分断しました。IFCはイラク社会のこの分断に反対する唯一の勢力なのです。」
 安全部隊は増大しつつあるIFC支持の柱である労働組合活動家が増えている。9月7日のバスラでの記者会見にはIFCの反石油法戦線の代表がイラク石油労組連合に合流して、外国の多国籍企業に広範な利用権限を与えるアメリカが書いた石油法の通過に反対するようにイラク国民議会に警告した。IFOU[イラク石油労組連合]のハッサン・ジュマ議長もIFCの中央評議員であるが、もしも法案が承認されたら、労組はイラク南部の油田から引いているパイプラインを閉鎖するだろう、と発表した。その5日前には、IFCがバグダッドの解放広場で抗議行動を展開した。アメリカ軍が集会を包囲し、広場への出入りを封鎖した。
 6月4日にIFOUは石油法に抗議し労働者に対して支払われるべき諸手当の支払いを解除させるために、4日間のストライキを打って、バスラ-バグダッド間のパイプラインを麻痺させた。ジュマを含む4人の指導者たちは「イラク経済への破壊活動を行った」からと逮捕命令を出された。逮捕命令は正式には決して撤回されなかったが、ストライキが終わったときには執行されなかった。ストライキの後にバスラにイラク陸軍の大部隊が駐留したにもかかわらず、7月16日のIFOUの反石油法戦線のデモ行進は数千人を参加させた。政府は最近、もしも組合が新たなストライキを打ったら、逮捕命令を執行すると脅迫した。
 ジュマは「石油法はイラク民衆の願いを代表するものではない。」と5月に組合から出した声明の中で言った。「石油法は外国の石油企業を石油部門に参入させ、いわゆる生産分与協定の下で民営化を実行するものである。IFOUは世界の全ての労働組合に我々の要求を支持し、各国政府と石油企業にイラクの油田に参入しないように圧力をかけるように呼びかける。」
 イラクの労働者の指導者たちももちろん、殺害の標的になっている。9月18日にIFOUは組合指導者のタリブ・ナジ・アバウは、アメリカ軍が車中の彼に発砲して射殺された。この殺害は標的を決めた暗殺ではなくて、むしろむやみに発砲するのを好む兵士たちの事例であったかもしれないが、それは長期にわたって続く組合活動家殺害の最新例にすぎなかった-ほとんどの殺害は民兵や暗殺部隊によって実行されるのである。
 危険な目に遭い脅迫を受けながらも、反石油法運動は高揚している。9月22日に反石油法戦線によって呼びかけられたバグダッドの解放広場での第2回集会は、数百人を参加させた-それは恐怖の雰囲気の中で顕著な成果であった。
 IFCの設立団体の一つであるイラク女性自由協会は、新憲法反対運動の先頭に立ったが、新憲法は1959年の政教分離の個人地位法をくつがえして代わりに家族内の紛争をシャリア法[イスラム法]の法廷にゆだねるものであった。OWFIの指導者のヤナール・モハンメドが言うには、この憲法は抑圧的な雰囲気を推し進め、ベールをかぶるのを拒否する「不謹慎な」女性に対して硫酸を投げつける攻撃が増加している。OWFIは占領下で急増した「名誉のための殺人」から逃れてきた女性のためにバグダッドでシェルターを組織している。モハンメド自身がおびただしい数の殺害脅迫を受け取っている。
 全交に加えて、IFCの連帯グループはイギリスやフランスや韓国で結成されている。アメリカではアメリカ反戦労働者の会がイラクの労働組合指導者の演説ツアーを行った。しかし、アメリカ合衆国ではイラクの市民レジスタンスのことはまだほとんど知られていない-左翼においてもそうである。
 イラクの市民レジスタンス運動について聞かれたときに、人気のあるインフォームド・コメント・ブログの発行者である中東学者のジュアン・コールは、「彼らは大部分が今のところ亡命していると思います。宗教グループの方がよく組織されていて海外からの資金を得て準軍事的組織を持っています。」と言っている。「野蛮の衝突」の作者である作家のギルバート・アッチャーだいたい同じ意見で「悲劇的なことだが、中東地域全体では、実際には左翼の進歩的な解放勢力は、歴史的な敗北の産物として、全く些末なものとなっている。」と述べている。しかし、アッチャーは石油労働者の闘いに勇気づけられている。「イラクで支持をする価値がありそうだと思うのは、バスラの石油・ガス労働者組合である。」と彼は言う。「これは真に自主的な労働組合である。そして彼らはとても敏感な立場にある。というのも、石油産業がイラクの主要な資源であるからだ。」
 ベニスもまた希望がそこにあると見ている。「石油労働組合はイラクの労働者そしてまたイラクの主権と統一を守る地域および全国での動員の驚くべき実例を提供している…。アメリカ反戦労働者の会の活動は、イラク占領に反対して労働者を動員し、同時に石油労働者への支援を作りだし、そしてまた別の一方の側からの国際連帯の実例を提供している。」
 「占領軍とイラクのカイライ政権がこの紛争を作り上げたのです。」とナディア・マフムードは言っている。「彼らが民兵を支え、テロリストのネットワークに門戸を開きました。アメリカは政治的自由を支持していません。彼らはイラクの資源を盗み出すことを追い求めているにすぎないのであり、もう出ていくべき時なのです。」しかし彼女は、アメリカの撤退によって平和が実現し政教分離の体制ができるとするならば、市民レジスタンスは海外の友人からの支援を得ることが必要であると強調する。「イラクのアメリカ軍に勝利することはイラク国内の勝利ではないでしょう.-それは国際的な勝利となることでしょう。」