2008年11月14日金曜日

アメリカ合衆国大統領選挙当選に関するバラクク・オバマ氏への手紙

サミール・アディル イラク自由会議議長 2008年11月6日

こんにちは
 イラク自由会議を代表して、私はあなたがアメリカ合衆国の次期大統領に当選するのに成功したことをお祝いしたいと思います。私たちは、今回の当選がアメリカ合衆国の世界に対する政策、特にイラクに対する政策の新たな段階の始まりとなることを願っています。

 あなたがアメリカ国民によって次期大統領に当選したことは、ネオコン[新保守主義]派と彼らの世界に対する非人間的な政策が敗北したことを意味します。ネオコンは、先制攻撃戦略を採用し、その結果は破壊とテロの増強を引き起こしただけであり、そのために全世界は安全を減らしてしまったのです。

 私たちは、20世紀のビル・クリントン政権時代に民主党の政策を経験し、イラクで行った彼らの政策から苦痛を味わったことを思い出す必要があります。クリントンは国連安全保障理事会で不当な経済封鎖の延長を何度も主張し、残忍にも市民を爆撃して殺害しましたが、その最大の被害者は子ども達でした。さらに私たちは、クリントンがコソボやルワンダで行ったこと、そしてパレスチナ独立国家の形成と言う夢をどのようにして極めて困難なものにしたのかを決して忘れません。言い換えれば、父ブッシュの政治課題と、彼の息子の共和党の政策と、ビル・クリントンの民主党政権との間には何の違いも見あたりません。

 しかしながら、私たちがあなたの指揮の下でのアメリカ政府の政策に変化を見出すのを期待しているのは、あなたが抑圧と不正義を経験しよく知っている家族を祖先にもっているからであり、あなたの理想に世界が共感する理由があるからです。イラクに関して言えば、あなたがイラクに対する戦争と占領に反対したことは賞賛されており、この傷ついた国で長期間にわたって続く戦争とテロの連鎖を終らせる希望を私たちに与えています。

 イラク国民の悲劇を終らせ、6年間近く何百万人もの人々を殺し強制退去をさせるということをやめる方法は、占領を終らせ、政教分離した民族主義でない政府を支持することであり、この政府は人々を人間であることに基づいて認めるのです。

最後に、あなたは選挙運動の中で「我々には変化が必要だ」というスローガンを掲げました。このことは、あなたが過去の政権の政策を見直して、全世界でアメリカに対して高まっている憎しみの主要な要因であるイラク占領を終らせるという勇気ある決断をするのを見られるだろうと言う気持ちを駆り立てています。占領を終らせる決定をしてイラクからアメリカ軍を撤退させることは、アメリカが自らのイメージを改めるために必要な「変化」なのです。