2011年3月20日日曜日

対リビア軍事介入の狙いは中東革命の圧殺

イギリスのストップ戦争連合がリビアへの軍事介入に反対するように呼びかけています。

(日本語訳:イラク市民レジスタンス連帯委員会)

国連の対リビア決議の背後にある本当の理由

アンドリュー・マーレイ

ストップ戦争連合全国議長 2011年3月18日

ストップ戦争連合の全国呼びかけ人であるリンドゼイ・ジャーマンはBBCの番組ジェリミー・バイン・ショーで欧米による軍事介入に反対であると主張している。

中東での新たな戦争が布告されたのだ。イラクとアフガニスタンの血にまみれ失敗しつつある占領がいまだに行われているのに、米国と、英国と、フランスは今、リビアに対する軍事介入の拡大を進めているのである。

リビアを攻撃して体制変革を押しつける決議は―それが国連決議の意味である―国連安全保障理事会によって承認されたかも知れない。しかしそれは自分の国民から自らを守るために欧米諸国の中東地域へのさらに深い関与を確保するのに必死となっているアラブ連盟の専制君主たちによってけしかけられたものである。それは過去10年以上にわたってアラブとイスラム世界全体で無差別の暴力を加えてきたのと同じ大国によって実行されるだろう。

「飛行禁止空域」の強制やリビア国防軍とカダフィの部隊に対する空襲や海軍による爆撃はリビアに平和をもたらすことも、リビアにおける紛争の解決にもならないだろう。

しかし、彼らはより多くの市民の命を犠牲にし、英国と世界に軍事介入を拡大させて、最後には少なくともリビアの一部分を占領する危険を冒すだろう。

カダフィ政権を賛美する人はほとんどいないのに、イラクの経験は、外部から「体制変革」を押しつけようとすることが危険なまでに無益なものであるということを強調している。それはまた真の民主主義と自由は空爆や外国による占領からは育たないということを思い起こさせる。

リビアを攻撃することと、ペルシャ湾の少数独裁諸国によるバーレーンへの介入[訳注:サウジアラビアなどの湾岸諸国の軍隊がバーレーンに進駐している]を支持して脅威にさらされている専制君主制を支える―米国第5艦隊の目と鼻の先で―ことは、同じ種類のことなのである。それらは、欧米諸国が最初に支配権を確保して次にアラブの革命を止め、中東地域のおける帝国主義権力の本質的な部分を残しておくという計画された試みを示している。

英国をカダフィ政権を倒す試みの先兵にしようというデビッド・キャメロン[現首相]の決定は、同じ政権をトニー・ブレアとゴードン・ブラウン[いずれも労働党時代の首相]が同じカダフィ政権を抱き込むことになったのと同じ考えによって導かれている―すなわちリビアの石油に対する英国の権益を確保するという願望である。

ストップ戦争連合はリビアに対して外部からの軍事介入を行ってはならないと確信する。アラブの革命を支持するにあたり、我々はアラブの革命は欧米諸国の軍事行動によって支持されることはなく、圧殺されるであろうと確信する。

我々は英国政府が中東から手を引く事を求め、リビアと中東の他のどの地域に対する軍事行動の全てに参加しないように要求する。我々は反戦運動が全国で運動を展開して、この戦争への滑走と英国の参戦を阻止し逆転させるように要請する。