2009年4月13日月曜日

オバマのイラク撤退計画に関する平和と正義のための連合の声明

アメリカのUFPJ(平和と正義のための連合)がオバマの「イラク撤退」を批判しています。

出店はUFPJのHP

http://www.unitedforpeace.org/article.php?id=4032(以下の日本語訳:イラク市民レジスタンス連帯委員会)
オバマのイラク撤退計画に関する平和と正義のための連合の声明
オバマ大統領はアメリカの対イラク戦争と占領の終了を開始する命令を出そうとしている:
それは本当に終わりなのか?
 UFPJ(平和と正義のための連合) 2009年2月 
金曜日[2月27日]に、オバマ大統領は、大統領選挙の公約の16ヶ月以内の撤退よりも3ヶ月遅く、大統領就任から19ヶ月までに―2010年8月までに―イラクからすべての戦闘部隊を撤退させるという計画を発表する予定である。火曜日の夜[2月24日]の連邦議会での施政方針演説で、オバマは「イラクをその国民に責任を持たせるように前進することがこの戦争を終わらせる」と発表すると語った。

オバマ大統領は選挙公約の大部分は守っていて、それは良いことである。我々は選挙で選んだ国民の意思に基づいて行動しようとする大統領を今や持っているので、希望がある。イラクでの戦争を終わらせる措置を取っているのは、米国民の戦争反対の総意の反映である―この総意は平和と正義のための連合が先頭に立ってきた平和運動が作り上げる助けとなったものである。オバマの「戦争を終わらせる」という初期の公約が彼の選挙運動に対する当初の大衆の支持を生み出す上で巨大な役割を果たしたと強調するコメンテーターは数多い。

 アメリカと世界は、全占領軍の完全撤退と、アメリカが雇用している15万人の外国人傭兵と軍契約者の全ての撤退と、全ての基地の閉鎖と、イラクの石油を支配しようとする取り組みの終結という明確ではっきりとした目標を実行する計画が必要である。

 19月間での撤退計画の発表とともに、未だに重大な点での曖昧さと答えられていない疑問について検討する必要がある。イラクにおける人的、経済的損失は、世界経済危機の今も増大し続けている。戦争と占領が続いている間は、イラクとアメリカの両国民の安全と経済上の必要に対処することはできない。
 「部分的撤退」は5万人から7万人ものアメリカ軍兵士を残留させるだろう。イラクの米軍司令官のライ・オディエルノ陸軍中将によると、「イラク軍を訓練し、目標とする対テロ作戦を実行し、アメリカの人員と財産を守るには相当数の兵力が必要だろう」。他の当局者は「情報監視の専門家と無人機を含む機材」を残しておく計画について語っている。

レッテルを貼り替えられる部隊もあるかもしれない。現在は戦闘部隊として数えられているがイラクに残るのに「任務を与え直され」、その活動をイラク人への訓練と支援であると再定義される。それは占領の終結ではない。事実上、それは米軍のイラク駐留を無期限にすることになるかもしれない。

「米軍の地位に関する対イラク条約(SOFA)」は―ブッシュ政権の末期に打ち負かされたホワイトハウスによって不承不承に署名されたものである―2011年末までに全てのアメリカ軍がイラクから出て行くように求めている。オバマ大統領の声明も同じような時程表を反映しているかもしれない。しかし、ペンタゴン[米国防総省]内部の情報筋は、米軍地位協定は相互協定によって変化をなお余儀なくされ、3万人から5万人の間の兵力が2011年以降もイラクに残るという推測があるという事実を指摘している。

 SOFA協定は、全ての実戦部隊を今年の夏までにイラクの都市から撤退すること、そして2011年までに、全てのアメリカ軍がイラクから撤退し、全てのアメリカ軍基地がイラクに引き渡されることを求めている。

 今や何年も、連邦議会は米軍基地を残すことには繰り返しノーと行ってきた。我々は基地をイラクに引き渡す時程表とはどんなものかを知る必要がある。

 協定は大きな抜け穴でいっぱいである。最大の抜け穴は、両国のどちらからも変更を提案できると言うことである。イラク政府は―その最初からアメリカに依存し、アメリカに対して責任を持っている―今や確かに違っている。それは相当な国内権力基盤を作り上げた。しかしながら、イラク政府は全アメリカ軍の撤退の表向きの最終期限を先送りするか削除するために協定を改訂しろというアメリカの静かな「要請」を拒否できるほど十分に強いのだろうか?

 兵力の撤退と米軍基地に関する答えられていない問題と並んで、米軍の軍事契約者の駐留はどのように終わるのだろうか?オバマ大統領は最高司令官ではあるが、石油企業と強力な契約企業は、CEO[経営最高責任者]や株主がイラクの契約で何十億ドルもの戦時利益を上げてきたのであり、政府や連邦議会に対する強力な圧力であり続けている。オバマ大統領が請負契約の過程を透明化すると約束したのは良いが、米国は全ての傭兵と軍契約者を帰国させる取り組みをすることも必要だ。

 占領をさらにほぼ3年間もするというのは長すぎる道のりである。軍を撤退する特定の日程を決めることは正しい方向の積極的な一歩ではある。しかし、19ヶ月かけた部分的撤退では不十分である。我々の運動は常に明確であり我々はこの点は立場を明瞭にし続けている。すなわち、全ての兵士を今すぐ帰国させなければならない!我々はまた、アフガニスタンでの愚かな戦争にさらに多くの兵士を送るという決定に深く当惑し、反対する。平和運動はイラクの占領を完全に終わらせ、兵士も基地も残さないことに向けて今一度前進しなければならない。平和運動の仕事は、イラクとアフガニスタンでの戦争を真に終わらせるために動員をして、圧力をかけ、教育や提唱をして、訴えをすることなのである。
対イラク戦争6周年の3月19日と20日には、全米の様々な地域で地域の反戦活動が行われるだろう。4月4日には、我々はニューヨーク市のウォールストリートをデモ行進する。我々は、マーチン・ルーサー・キングの歴史的なベトナム戦争を乗り越える演説の今年の記念日に彼の遺産を高く掲げ、「戦争を乗り越える:新しい経済は可能だ」と声を上げる。