2009年4月13日月曜日

イラク・アルビルで第1回国際労働者大会が開催

2009年3月13、14日にイラクのアルビルで第1回国際労働者大会が開催され、大成功しました。

イラクの労働組合が新しい連合体結成を宣言
執筆者:アメリカ反戦労働者の会(USLAW)
Found at: http://www.pww.org/article/articleprint/14899/
イラクで史上初めて開催された第一回国際労働者大会において、イラクの3つの主要労働組織が新しい労働組合連合体の結成を宣言した。

 国際的な盟友とともに開催したイラクの労働組合の2日間の会議の閉会に当たって、強力なイラク石油労組連合とイラク全土に展開する電力労働組合と全イラク労働者評議会労働組合連合[GFWCUI]は、新しい労働組合連合体結成の合意書に署名したのであり、それはイラクの労働者の利益の擁護者としてイラクの労働運動を統一する一歩となるものである。

 イラクのクルド地方のアルビルで3月13―14日に開催された大会は、イラク全土の労働組合とその連合体の200人以上の代表とアメリカ、イギリス、南アフリカ、日本、オーストラリア、イランの国際連帯代表を結集した。

 準備に一年以上をかけて、大会はイラクの石油ガス産業、港湾労組、発電・配電産業、建設業、公共部門、輸送、通信、教育、鉄道、サービス・医療産業、機械・金属労働部門、石油化学産業、土木技師、作家・ジャーナリスト、食用油労働者、洋服仕立て職人、学生の代表を結集した。イラクの18州のうち15州の労働者が参加した。

 アメリカの6人の代表団を構成したのは、合わせて500万人以上の組合員を代表する186の地域、地方、州、全米レベルの労働組織のネットワークであるアメリカ反戦労働者の会(USLAW)である。そこに参加していたのはUSLAWの全国オルグのマイケル・アイゼンシャーと、USLAW運営委員のマイケル・ツウェイグ(大学教職員組合[ニューヨーク州立大学の29のキャンパスの教職員34000人が組合員]の指導者/AFT[アメリカ教員連盟]第2190支部)と、コネチカット中央労働評議会議長のビル・ショーテルと、全米鉄鋼労組[組合員72万人]第675支部議長で南部カリフォルニアの石油産業労働者の代表のジム・ノリスである。そして反戦イラク帰還兵士の会からはフィラデルフィアからT.J.ブオノモとシカゴのアーロン・ヒューズの2人が参加した。

 大会での演説で、USLAWを代表してマイケル・アイゼンシャーは言った。「イラクの民衆と労働運動は悲惨な代償を払って、自由を取り戻し、イラクの政府とイラク国民の運命と将来についての民主的な支配権を確立したことを私たちは理解しています。私たちは痛みをもって、イラク民衆が耐えてきた多大な死と破壊と追放と苦難に責任があるのはアメリカ合衆国政府であるということを知っています。独裁者のサダム・フセインに中東の他の国々ばかりかイラク国民に対しても戦争を行う資金を提供したのはアメリカ政府でした。そしてアメリカ合衆国自身の勤労者もまた、アメリカ政府の背信行為のために血と金の両面で多大な犠牲を払ったのです。この大会は、イラクの主権の完全な回復に向けた重要な一歩を画するものであり、それは全ての外国の軍隊と傭兵部隊がイラクの地を去り、全ての外国の軍事基地が閉鎖され、イラクの領土保全が世界の全ての国によって尊重された時に初めて獲得することができるのです。」

大会はワシントンDCで収録したビデオを通じてデニス・クーシニチ下院議員(民主党・オハイオ州選出)によって祝福され、その中でクーシニチ議員はイラクの労働運動への支持を表明し、イラクに対する侵略と占領は国際法を著しく侵害するものであり、全てのアメリカ兵士は即時完全に撤退させなければならないという長年の信念を繰り返して語った。

 イラク石油労組連合議長のハッサン・ジュマ・アワドは一世代にわたってイラクの石油の支配権を外国企業に譲り渡す生産分与協定によってイラクの石油産業を民営化しようとする米国の策動を糾弾した。彼は25000人の組合員を代表した発言で、イラク民衆の利益のためにイラクの石油を国営の石油会社の経営下に残すことを要求した。大会は、米国によって推進されている石油ガス法案が「労働者階級、ひいては全てのイラク人の利益に敵対する」と述べた力強い決議を採択した。大会決議は「全てのエネルギー資源はイラク国民の財産であり、いかなる口実のもとでもこれらの資源を民営化したり独占したりする権利は誰も持っていない。これらの資源はイラク人の利益のために使用し平等に分配されなければならない。」と宣言した。
 
大会はまた、政府の介入を受けずに自ら選んだ組合の中で団結権、団体交渉権、ストライキ権を守る国際労働機関の基準を満たす労働基本法を即時制定することを要求するもう一つの決議を採択した。米国の占領当局とイラク政府は、全ての公的機関の労働者と石油産業を含む公的企業の労働者の労働組合を禁止するサダム・フセインの反組合的な労働法を押しつけ続けている。

 別の決議では、「宗教主義でも民族主義でもない政府」を持つ独立したイラク国家を要求した。そこでは「イラクに安定と平和と安全をもたらす重大な歩みの一つは、民族や宗教や宗派の出自に関わりなく人間であることを基礎にして人々を認める政府を設立することである」と述べた。その他の決議は全世界規模の経済危機と民営化に対処するものであった。

 元米軍情報将校のT.J.ブオノモと元米国陸軍軍曹のアーロン・ヒューズがステージに上がって発言をした時に大会の中でも劇的な瞬間が起こった。米軍の帰還兵がイラクに戻ってきてイラク国民に対して行った犯罪を公然と認めイラクに対する経済的、軍事的占領の中で担った自らの役割について謝罪をしたのは初めてのことであった。彼らは、自分たちがここに来たのは許しをこうためではなく、義務を果たしてイラク民衆との連帯を示すためである、と言った。彼らは、情報操作と、イラクのジャーナリストの買収と、イラク人捕虜の拷問と、労働者の権利の抑圧と、イラクの石油を支配しようとするアメリカ政府と多国籍企業による企てを糾弾した。発言に対する反響は、即座に返ってきて、力強く、心の底からのものであった。頑強な民族主義者と見られてきた1人のイラクの労働組合の指導者が舞台に駆け上がり、イラク帰還米兵たちを抱きしめた。別の指導者は、IVAWの演説はイラクとアメリカの民衆の間の巨大な壁を取り除いた、と公言した。

 大会のとりまとめ役でイラク自由会議議長のサミール・アディルは大会の評価をまとめ、「この大会は全世界経済危機とその結果としての全世界と中東における政治変革という文脈の中で、イラクの労働運動の統一とイラク民衆との国際連帯運動の両方にとっての重大な前進を示している」と語った。

 イラク政府は十分な重要性があると考え、公式のオブザーバーとしてクルド地域政府のアドナン・ムハンメド・カダール労働大臣を送り、大臣は大会代議員たちを歓迎した。また、潘基文(バンギムン)国連事務総長の代理のハーディー・シェーカーも出席した。

 大会は今後の活動を続けるための調整機関として「戦争と経済封鎖と労働組合の権利侵害に反対する国際戦線」を設立した。

 アラビア語とクルド語のメディアがイラクと中東全土で放映される報告を含めて大会の詳細な報道を行った。