2010年8月22日日曜日

AFL-CIO会長がイラクの組合弾圧に抗議

マリキ政権がイラクの電力労組など労働組合にひどい弾圧を展開しています。これに対して米国最大の労働組合のナショナルセンターであるAFL-CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議。組合員1100万人)のトラムカ議長がイラクのマリキ首相宛に抗議書簡を送りました。


(日本語訳:イラク市民レジスタンス連帯委員会)

http://www.uslaboragainstwar.org/downloads/Trumka%20to%20Maliki%20letter%2011%20August%202010.pdf

2010年8月11日

ヌーリ・マリキ首相宛

組合員数1100万人のAFL-CIOを代表して、私はイラク政府の政令第22244号に対して強い抗議を表明するために手紙を書いています。この政令は労働組合の権利を明らかに侵害し、イラク労働者の民主的な希望を不当にも制限しています。

AFL-CIOが受け取った情報が示しているように、電力大臣によって出された政令は電力産業部門における全ての労働組合活動を徹底的に禁止すると明言しています。それは電力省当局者が労働組合と交渉することを禁じ、労働組合が労働者を代表して近年電力省と交渉してきた利益をすべて取り消せと指示しています。さらに、電力省に対して、警察と協力して全ての労働組合事務所を閉鎖し組合の財産、資産、文書、家具、コンピューターを取り上げ、電力省がこの政令に違法に反対していると見なす労働者に対して反テロ法の下で訴追することがあり得ると脅かしさえしています。

労働条件改善のために組合を組織し交渉をすることによって、イラクの労働者は何十年にもわたる独裁政治によって長年否定されてきた国際的に認知されている権利を行使しようとしています。ところが、民主的な労使関係を築き国際基準に合致した新しい労働法を制定するために労働組合と一緒に活動するのではなく、貴政府はイラクの歴史の中でもはるかに民主主義と希望の少ない時代にもともと作られた反組合的な労働法と慣行を適用し続けています。

AFL-CIOは貴政府に対して電力産業部門とイラク全土で、現在その権利が否定されている公的部門と民間部門の両方の労働者に対して、結社の自由を保障する即座の実効ある措置を実施するように要請します。ILO[国際労働機構]の一員として、イラクは結社の自由に関するILO87号条約などの国際条約に従う義務があります。

私たちは労働者の権利に対する政府のこの不当な攻撃を停止するためにあらゆる必要な措置を即時とるようにあなたに要請します。さらに、私たちは首相府に対して、イラクの立法機関がイラクの労働者にふさわしい新しい民主的なイラクを実現するという約束に恥じない新しい法律を制定することができる時期が来るまで、特に公的部門での独立した労働組合組織と団体交渉を制限する法律の執行を停止するように謹んで要請します。

敬具

リチャード・L・トラムカ  <AFL-CIO会長>