2010年4月29日木曜日

イラクの労働者は支援を必要としている

イラク最大の石油地帯のバスラでイラク石油労組がストライキ闘争で闘っています。マリキ政権は活動家の不当配転などの弾圧をかけてきています。


アメリカのAFL-CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)はイラクの石油をはじめとした労働者への支援・連帯を訴えています。
(日本語訳:イラク市民レジスタンス連帯委員会)

バスラにおける石油労働者の抗議行動

イラク・石油レポート スタッフ  2010年2月8日

【バスラ】イラク南部の数百人の石油労働者が超過勤務手当の支払いや降格に関する使用者側との論争の後抗議行動を開始し、組合指導者は燃え立って大幅に遅れている労働法の制定を要求している。

それはイラクの労働者と労働者を認めるのを拒否している政府との間の進行中の紛争の最新の者であり、特に石油産業部門への海外からの投資にとって重大なリスクになるかもしらない。

バスラの石油組合の匿名の組合員が1月31日に語ったところでは、この地域の何百人もの石油労働者と精油所技術スタッフたちが自分たちの敷地で1月31日に抗議行動を行った。

イラクの石油労働者と石油省は緊迫した関係にあった。労働組合はいまなお非合法であり、法律の一つはサダム・フセイン時代からの巻を続けている。労働者は労働者は抗議行動をして労働者の要求と石油法案を含む政策に反対してストライキを継続した。

イラク石油労働組合議長の公式声明

ハンサン・ジュマ・アワド イラク石油労働組合連合議長

支援の呼びかけ

神をも恐れないバース党の残党が政治プロセス全体を破壊し統一政府を結びつける(?)法律を標的にするために疑わしい動きを開始したことが明らかになってからのことである…

今回は、イラク国民議会選挙の1ヶ月前に、南部精油所会社の経営者が石油省から来たと主張して経営側の命令を強制し始めた。我々は、これは仕組まれたものだと確信する。こうした命令は労働者とその家族の食糧配給を削減し、残業時間を止め、他の財政上経営上の圧力に加えて労働者を降格するといったことで構成されている。奇妙なことに、バース党員の息子やそのいとこや親族である労働者のグループを任用することを経営者は認めた。このような不当な行為に沈黙を続けることなど可能だろうか?バスラ州当局者、州知事、副州知事、州議会議長、州議会議員、そして正義と責任委員会が抑圧されている人々と共に声を合わせて権利を取り戻すことを願う。我々南部石油会社精油所の労働者は以下のように我々の要求を要約する。

1.最近任命され3ヶ月の間その地位に就いていたこの会社の社長はあらゆる幹部から指摘されているとおり会社の経営には無能であり、首をすげ替えるか解雇すること。

2.専務取締役と財政部理事から初めて人事担当と部門幹部に至るまで首をすげ替えること。なぜなら、彼らは会社の経営と財政の運営を失敗したことを身をもって示したかあらである。

3.無用のものとなった会社の経営委員会を解散すること。

我々は全ての当局者に対して我々を助けるように繰り返し求め、我々と同じ立場に立つように要請する。そうしなければ我々は連続した抗議行動と集会を組織するだろう。それは生産ラインを正しい軌道に戻すためであり、我々が会社の経営を担当してきたバース主義者やご都合主義者たちの安易な標的にならないためである。

バスラの労働者のストライキとデモ

イラク石油レポートスタッフ  2010年3月23日

【バスラ】バスラのイラク南部製油会社は、南部製油会社の経営陣の大刷新と賃金引き上げの要求に関する交渉が決裂した後、水曜日[3月24日]にストライキに突入する予定である。

しかしながら、治安部隊が南部製油会社に終結しつつあり、ストライキを決行するとストライキ参加労働者が逮捕されることを恐れて、ストライキを中止しようとする組合員もいた。

これはイラクで2番目に大きい精油所における一連の労働争議の最新のものである。イラクの石油労働組合は今も存続しているサダム・フセイン時代の法律の下で禁止されているが、より良い賃金と労働条件を要求してきた。しかしながら、石油省は財務大臣によって権限を委譲されている精油所は要求をするためには間違った標的だと言った。

この2、3ヶ月の間に、労働者と経営者は交渉を行い、しばしば合意に近づいたが、その後、決裂してしまった。ストライキは2月に予定されていたが、交渉が再開した後中止された。

先週、バスラ西方16キロの日量15万バレルの精油所で700人者労働者が3時間のストライキを打った。

彼らは南部製油会社のアブドル・フセイン・ナシル社長とカリーマ・フセイン・ザジール財務理事の解任を要求した。彼らは会社の経費のうち現行の70%ではなく80%を労働者の賃金に回すことと、労働時間中の食料の消費代金を支払うことと、労働時間の短縮を要求した。

「会社の理事会は会社のスタッフから選ばれた2人と石油省の8人で構成されています。」とイラク石油労組連合のハッサン・ジュマ議長は言った。

「我々は、会社のスタッフから2人しか選ばれていないのは十分ではないと考えています。この体制はいまだに旧政権時代と同じ法律の上で運用されているのです。」とジュマは言った。
連帯センターがイラクの精油所における反組合の動きを非難する

イラクの国家の至る所で民主的な改革が行われているにもかかわらず、マリキ政権はサダム・フセイン時代にまでさかのぼる反労働者的な法律を積極的に実行している。近年では、相当多数の労働者が、組合を結成したり抗議行動に参加したために、解雇されたり脅迫を受けたり嫌がらせを受けたり、処罰を受けてきた。―この同じマリキ政権は国際労働機構の基準とILO条約にリップサービスをしてきたという事実があるにもかかわらず、である。

直近のその実例は、4月1日に―精油所の労働組合と経営者の間の交渉と争議が数週間あったすぐ後である―政府所有の南部石油会社はイラクのバスラに基盤を持つ精油所労働組合の4人の著名な指導者を組合委員長と副委員長を含めて、精油所の勤務から会社の他の新しい部署に配転したことである。

この配転が組合つぶしを動機としたものであることは疑いがない。精油所の労働者は2月25-26日、3月2日、3月18日に波状座り込みストライキを打ち、続いて3月28日に賃上げと2007年、2008年、2009年から労働者が所有する手当の公正な支払い、臨時雇用労働者の常雇用化、腐敗の監視、生産化以前のための地域の経営の改善、そして労働組合の正式な認知を要求した。

「権利獲得を主張する平和的なデモを組織し開催したために労働者を処罰するということがイラクでは不幸なことに普通に行われています。」と連帯センターの暫定理事長のナンシー・ミルズは指摘した。「イラクは、組合の団結権や団体交渉権を禁止する時代遅れの反組合的な労働法を、労働者の根本的な民主的権利を認める新しい法律に今回限りですぐに取り替えることが必要です。」

精油所労働組合は産別組合のイラク石油労組連合(IFOU)の加盟団体である。

配転命令を受けた組合指導者は、イブラヒム・ラドヒ精油所労働組合委員長・IFOU副議長、アラー・サバーフ・ミリエ精油所労働組合副委員長・IFOU中央評議会議長、ファラジ・ルバート・ミズバ精油所労組組合員・IFOU中央評議員・メディア部長、ケザール・カドヒム精油所労働組合員・活動家である。
「この行為は全組合員が自らの基本的権利を要求しても(懲罰)配転を受けると感じさせるものである。」とハッサン・ジュマ・イラク石油労組連合議長が本日はじめの声明で言った。

精油所労働組合とIFOUはこの懲罰的な配転に対決し、南部石油会社とイラクの経済全体で組合に対するこうした攻撃を終わらせるように要求するために、手紙や他の形態の平和的な抗議行動によって国際的支援をするように呼びかけている。
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イラクの労働者はあなたの支援を必要としている

AFL-CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議) 2010年4月

連帯センター役員のエリン・ラッドフォードが、団体交渉権や他の職場の権利を要求して闘っているイラクの労働組合指導者たちを支援する行動をもとめてこの要請を私たちに送付してきた。

イラク全土の労働者は民主主義を望んでいるにもかかわらず、労働組合を結成したために嫌がらせや脅迫や刑事責任の追及さえ受けてきた。しかし、イラクの労働組合は反撃し続けている―そして彼らはあなたの支援を必要としている。

イラクの1987年の労働法は団体交渉権とストライキ権と最低賃金の権利を無効にした。それは全ての公的部門の労働者(労働者の約90%)を「公務員」と分類し直し、組合結成を禁止した。イラク政府はこの時代遅れの法律を強制する道を選び、労働組合との交渉を拒否し、労働組合を「非合法」であると宣言したのである。

あなたは、公正で正当な労働法を要求する国際署名に署名することで行動することができる。あるいは、イラク大使館に手紙を書こう。連絡の情報はここをクリックしてもらいたい。こちらには、労働者のキャンペーンに関するバスラのハシュミヤ・ムッシーン・アル・サーダウィ電気労働者組合議長の素晴らしいインタビューがある。

国際労働基準に沿った労働法の保護がなければ、イラクの労働者と彼らの労働組合は搾取と国際的に認められた労働者の権利の侵害を常に受ける。これに対して、イラク全土―バスラからイラクのクルディスタンに至るまで―の労働者と労働組合が共に抗議に立ち上がっている。国際労働組合連合の支援を受けて2009年11月に始まったイラク労働者キャンペーンは、イラクの労働者と労働組合に労働現場での根本的な権利を保障し、自由で独立した労働組合の結成を認める公平で正当な労働法を制定するようにイラク政府に要求している。このキャンペーンはまた、しばしば恐るべき個人的な危険に直面する宗教、政治、民族、地域の分裂の架け橋になろうとする先駆的な試みでもある。

※訳注:国際労働組合総連合(ITUC):2006年それまでの国際自由連合(ICFTU)、国際労連(WCL)などが統一して結成。世界155カ国・地域、311組織を通じて1億7500万人が加盟

すでにこのキャンペーンは顕著な成功を収めている。約85人の国会議員が、地域組織や経済界や政治の指導者と共にキャンペーンのアピールに署名している。重要な役割を持つ議会の起草委員会はキャンペーンの調整グループと協議を持ち、国会議員が国会で法案を議論するための申請をしている。

AFL-CIOはイラク労働者の基本的な労働者の権利と職場の民主主義を要求する闘いを長年支援してきた。昨年の秋には、AFL-CIOの連帯センターはイラクの5つの労働組合の指導者をワシントンDCに連れて行き、AFL-CIOの指導者と米国政府の政策担当者と共に彼らの闘いに焦点を当てた。イラクの労働者はまた、ピッツバーグのAFL-CIO大会に出席し、そこでAFL-CIOはイラクに関する最新の決議を採択した。AFL-CIOはこのキャンペーンを通じて労働者の権利獲得のためのイラク労働運動の最近の奮闘を強力に支援している。

しかしながら、この4月2日に、イラク政府はイラクのバスラにある精油所労働組合の委員長と副委員長を含む4人の著名な指導者の現在の職場からの即時配転を命令した。この配転は、この労働組合の活動家に対する懲罰として発表されたようである。それは、労働組合と精油所経営者との間の数週間にわたる交渉と争議の直後に行われたのである。

「権利獲得を主張する平和的なデモを組織し開催したために労働者を処罰するということがイラクでは不幸なことに普通に行われています。」と連帯センターの暫定理事長のナンシー・ミルズは指摘した。

 イラクは、組合の団結権や団体交渉権を禁止する時代遅れの反組合的な労働法を、労働者の根本的な民主的権利を認める新しい法律に今回限りですぐに取り替えることが必要である。