2007年10月28日日曜日

IFC第1回大会提出のイラクの政治情勢に関する決議案

治安状況の悪化や市民サービスと生活状況の低下や政治的な大混乱や打ち続く暴力とテロの連鎖といった、イラクの社会全体を支配し続けてきたイラク国民がこうむっている苦難は、5年間以上にわたって一続きに継続する以前からの戦争と占領が拡大したものである。

 イラクの戦争と占領を実行した結果として2006年11月の中間選挙で米国の右翼政権が敗北を喫した後、ブッシュ大統領はイラクでの新戦略を発表したが、何の良い結果を出すこともなく、軍事作戦を強化して、ますます多くの破壊と、市民の死者の増加と、無差別の逮捕と、悪名高い人権侵害を引き起こし、イラク大衆の中に恐怖の雰囲気をあおったのである。
 新戦略の評価を出すために最近提出されたブラウン-ペトレイアス報告は、支配階層の中でもふつうのアメリカ国民の間でも、アメリカ合衆国内の反占領運動を押さえ込もうとする試みにすぎない。この報告は、占領とその非人間的な政策と、生命を維持していく最低限の要素を提供できないという結果引き起こっているイラク国民の苦難を全く隠蔽してしまった。報告はまたバグダッド、ディヤラ、スラフディン、キルクーク、モスルに加えてバビル、ディワニヤ、ナジャフ、カルバラ、バスラなどにまで広範に他の地域や都市に暴力の場が増えていると言うことを覆い隠したのである。

さらに報告は、ラマディの町での勝利に焦点を当てることによって、イラク占領を「対テロ戦争」だとする欺瞞的な宣伝と正当化を再生産しようと試みたのだが、しかしその一方で、イラクはアルカイダのことを全く知らないか経験もしたことがなく、占領されて初めて知ったのだということは全世界が周知のことである。言い換えれば、報告はイラクにおける占領とアメリカの計画の最終段階が失敗したということを明確に表明するものなのである。

 アメリカ連邦議会上院のイラクを宗派と民族別の連邦制に分割することを提案する法的拘束力のない決議は、この憎むべき政策を合法化する憲法の制定を生む結果となったのと同じ内容に基づいた民族主義的で宗派主義的な統治評議会とその後3代続いた政府の発足を押しつけることによってイラク社会を分裂させた占領方針の延長であり、終わることのない紛争を生むばかりであろう。従って、イラク政府上層部の中の政治勢力間の紛争は権力と影響力の利益をより多く獲得するために毎日市民を殺し続けている彼らの民兵の犯罪の上に反映されているのである。

 この法的拘束力を持たない決議は、イラクの分割に関するアメリカ政府内の論争に終止符を打った。事実、この決議はアメリカによる占領が中東地域でのアメリカ式モデルに似た社会を建設するのに失敗したことの明瞭な宣言なのである。この決議は、この長期にわたる苦境から占領軍を引き上げ、イラクと中東地域でのアメリカの計画のうち救うことができるものを救い出すための支配階層の最後の切り札である。

 アメリカ政府が法的な地位と正当性を失ったアル・マリキ政府への支持を継続しようとすることも、クルド民族主義勢力とシーア派イスラム政治勢力から権力と富の一部分を差し引いて、非バース党化法を撤廃することを通じてそれをスンニ派イスラム政治勢力やアラブ民族主義勢力に与えることも、国民和解案も、部族の武装化も、キルクーク問題の延期も、イラクに安全や政治的安定をもたらすことはなく、こうした諸勢力間の紛争を強め、イラク大衆の利益の将来をこのような勢力や民兵の祭壇に供えることになるだろう。

 アメリカが失敗した結果、イラクの周辺諸国がイラク民衆の治安と安全に干渉する道を開いた。たとえばトルコ政府は、占領軍がイラクで支配力を失い特にキルクークでの権益を維持できないということを知った後、トルコ軍をイラク国境内に進撃させてクルド人地域を砲撃すると決定し、PKK[クルド労働者党]を追撃するという口実のもとに多数の市民を殺害している。核問題があるが故にアメリカ軍による攻撃の危険を避け、自らの権益を危機に陥れているアメリカの計画の真剣さと渡り合いたいイランに関しては、イラク北部(クルディスタン)への直接爆撃を開始し、国境の横断地点でイラク側への物資の通過を閉ざし始めた。

従って、IFC第1回大会は以下決議する:
1.今日のシナリオはあらゆる手を使いメディアを通して問題を隠蔽しようとしているアメリ カによる対イラク戦争と占領の結果であるということを再確認する。イラク社会をこうした悲劇的な状況から抜け出させるためのIFCの解答は以下の通りである:
 (a)占領を即時終わらせる。
 (b)占領を支持する政府とその機関を全て解散する。
(c)あらゆる勢力や政党や労働者、学生、女性の代表が出席する全国民会議によって民族主 義でも宗教主義でもない政府を樹立する。
(d)後継となる政府はイラク社会の安全と自由と福祉をもたらすことを保障する。
(e)イラクの全ての都市であらゆる民族主義、宗派主義の民兵を解散させる。
(f)政府の樹立から6ヶ月後に総選挙が呼びかけられなければならない。
(g)選挙に参加する全ての勢力に国家予算から平等に財政と情報を提供する。
(h)いかなる団体や個人による介入や脅迫も受けることなく、選挙が民主的であること  を保障するために、イラクの全ての都市に国際監視団を配備する。
(i)メディア(国内のものも全世界のものも)が参加して選挙について報道する動きを  促進する。

2.政治的な力関係を民衆の利益の側に変え、占領軍を追放し、イラクの悲劇的な政治状況を終わらせるために、IFCは、IFCの影響下にある地域を作り上げることを通じて、「シーアでもない、スンニでもない、我々は人間だ」、「占領にNO、宗派主義ギャングどもにNO」のスローガンのもとに民衆を団結させることができる巨大な大衆的政治勢力に変わらなければならない。その意味は、IFCが地域を支配し、安全部隊を結成してこうした地域の民衆に社会的影響力を持ち、占領軍と民族主義のグループや略奪のギャングどもからのイラク解放を開始する偉大な舞台に変わるということなのである。それと同時に、安全と自由と人間の尊厳の維持とIFCの政策のあらゆる要素を実行することができるイラクにおけるモデルを提供すると言うことなのである。

3.占領軍のあらゆる経済上、政治上の計画に断固として対決し、政治的に暴露し、全ての勢力を動員して打ち倒す。反石油法戦線はIFCの主要な事業の一つであり、我々はその成功のためにあらゆる物質的人的能力を注がなければならない。

4.イラクの中で戦っている地球規模のテロリストの中軸を打ち倒すIFCの戦略を達成するために、我々は国際反戦運動を我々の崇高な目的に結集し、我々の側に引きつけなければならない。

5.アメリカ政府とその同盟国によって描き出されたイラク国民のゆがめられたイメージを変え、世界に第3の代案が存在することを指し示し、国際連合やヨーロッパ連合やアラブ連盟のような国際組織の面前に宗派主義や民族主義の諸勢力が代表を出すのをやめさせるために、IFCはこれらの国際組織と会うための外交宣伝を開始して、イラクを暴力とテロと政治的大混乱の連鎖の道からはずし、こうした国際組織がイラクに関する会議やシンポジウムへの参加を推進せざるを得ないようにしなければならない。

6.IFCはイラク国民に呼びかけるが、IFCの隊列に合流し、宗派主義や民族主義のギャングどもが自らの利害のためにイラク国民を民族や宗派に対する憎悪の泥沼に引きずり込み、戦争の火種に変えようとしていることを知ろう。IFCは安全と地域の元のままの状態を守るために大衆の隊列の中から生まれた「安全部隊」の創設を開始したが、それと同時にイラク国民に自らの隊列を組織化して、職場や居住地域の公的な場に民衆の家を開設し、唯一人間であることを認める横断幕を振りかざすように呼びかける。

7.イラクと全世界でIFCサナ衛星テレビを広げその視聴者を拡大しよう。イラクで広島原爆写真展を開催する特別決議 提案:イラク平和テレビ局in Japan-広島自分たちの国が占領軍によって犯される大虐殺の被害と宗派主義ギャングどもによる野蛮な行為と市民社会の破壊と、特に、劣化ウランによる広範な犠牲者がでるという被害を被った、イラク国民にとって、広島の核の惨禍の真実を伝えることは非常に重要であるが故に、そして、核のない、暴力のない平和な世界を作り上げる民衆の発意を強めるために、IFCはイラク平和テレビ局in Japan-広島によって呼びかけられた事業に賛同する日本の諸グループと協力して、イラクの様々な都市で一連の広島原爆写真展を主催する。

イラク自由会議第1回大会 2007年10月20日