2007年10月8日月曜日

IFCが米国上院のイラク分割決議を批判

人間性を無視した米国議会上院決議

イラク自由会議 2007年9月27日

 本日、アメリカ合衆国連邦議会上院はイラクを分割して地域連邦制にしろと提案している決議を採択した。この決議は、4年以上にわたってイラクを事実上分割(法律、憲法、政治の上で)して行政区分をしたあげくに登場したものである。イラク占領以来、統治評議会も歴代の全ての内閣も、この分割の道を切り開く憲法を制定した後に、宗派主義と民族主義に基づいて作り上げられた。イラクにおける政治権力の最上部で行われている闘争や、近年ずっと互いに戦い合っているグループによって罪もない幾千幾万もの人々が殺されると言った、今日起こっている事態が、前述のイラク分割をもとにして権力と影響力と富のより大きな分け前を得ようとする各グループの意図を明瞭に表している。

 この決議は、統一したイラクを維持するのか、それともイラクを分割するのかという長期間続いた議論を終わらせた。この決議は、アメリカのような国家を中東に作るためにイラクを占領し荒廃させたアメリカの政策が失敗したことを明瞭に認めたものである。イラク分割決議は、アメリカ政府が苦境から脱出しイラクと中東におけるアメリカの計画で助けることができるものを救い出すための、アメリカ政府の最後のカードである。

 公然とイラク占領を支持した宗派主義と民族主義の勢力や、大衆に対して犯された犯罪の残虐行為に関しては、この決議は彼らの立場を強化するために上げられた。すなわち、少なくとも現段階では彼らの政策の遂行を前進させるためである。

 宗派と民族による連邦主義に基づいてイラクを分割するということは、イラク人の運命は宗派主義と民族主義の民兵の反動的な権力の手中に収められていると言うことであり、ますます時代に逆行した思想形態と法律をイラク社会に押しつけることになるということを意味している。

 その上、イラクの分割は、まず人間であるということを何の考慮もしないで、イラク人の額に民族や宗派の所属の烙印を永久に押すものだと見なされている。

 もしもイラクが一つの統一国家であるならば、まず人間であるということを基にしてイラク人を取り扱う単一の法律が存在しなければならない。

 イラク自由会議は全世界の平和を愛する民衆に呼びかけるが、「シーアでもない、スンニでもない、我々は人間だ」「イラク人の人間性を奪い取る占領による連邦主義にNO」のスローガンを叫び、占領政策と対決しよう。

 イラク社会が被っている大混乱と暴力の連鎖は、占領とその政策の結果生み出されたものである。イラク自由会議はこの米国上院決議を強く糾弾し、占領を終わらせることなく平和と安定はあり得ないということを表明するものである。