2012年1月6日金曜日

イラク自由会議拡大中央委員会最終声明

イラク自由会議(IFC)はイラク人民とともに占領の終結を祝い、この機に活動を停止することを宣言する。
 122日、多くのメンバーとスタッフ、活動家、支援者らが出席する中、IFC拡大中央委員会の会議が開かれた。
 会議は、IFCの掲げる目標、平和と安全・自由・平等が勝利を収めるイラクのために犠牲となった人々に黙とうを捧げ、中央委員会書記長サーレハ・ハディ、中央委員アハメド・フセイン、同エルハム・タラバニ、スタッフのバルワ・ラマダンらから成る議長団によって進めらた。
 サミール・アディルは開会あいさつで「われわれを取り巻く世界は変化している。現代世界の巨大な変容の方向に影響を与えるためにも、われわれは変わらなければならない」と述べた。
 サミールはさらに、アラブ世界と中東地域の大衆抗議行動から、グローバル経済危機、世界と地域の諸大国による世界再分割をめぐる紛争のエスカレーション、そして貧困・失業・飢餓に反対する米国・ギリシャ・英国における民衆運動の登場と他の国々へのその広がりに至るまで、世界と中東地域に起きている政治的変化について指摘。「貧困・腐敗・宗派主義に反対する運動を組織し、われわれの政策と展望を行き渡らせるためには、ばく大な努力を必要とする。われわれは225日にイラクで大衆抗議行動が火ぶたを切って以来続けてきたこの運動を完成させなければならない」と締めくくった。
 続いて、「IFCの政治的歩み」という標題のスライドショーが上映された。これは、占領に反対するIFCの活動のさまざまな場面とリーダー・活動家の姿を映し出した数十枚の写真から成るもので、会議の雰囲気を高め、参加者全員がIFCの闘いの歴史をたたえて数分間スタンディング・オベーションをするに至った。
 その後、「アラブの春とわれわれの運動に対するその影響」という討議資料に基づいて議論が行われた。サミールはこれを開会あいさつの続きと位置づけ、中東地域の大衆抗議行動が中東と世界の政治的力関係、そしてイラクにおけるわれわれの運動にいかに大きな影響を与えたか、を説明した。これらの抗議行動とそれによる変化が示しているのは、こうした変容に対応していくための新たな政治的枠組みの必要性だと指摘。同様に、イラクからの米国の撤退は、イラクの解放・革命の運動―IFCはその一員だ―がこの新たな段階の要請に応え得る政治的組織的枠組みを必要としていることを証明するもう一つの要因であると付け加えた。
 サミールの報告を通じて、IFCがその闘争の最終段階に到達したこと、当初の目的の一つ、占領終結を実現したこと、新たな段階にはそぐわない政治的組織的枠組みとなってしまったことが結論づけられた。
 会議出席者は旺盛に討論に参加し、多くの意見を投げかけた。そして「米国のイラク撤退に関する声明」が提案され、投票で全員一致により承認した。さらに、占領に反対しよりよい世界の建設をめざすイラク民衆とIFCの闘いを支えた世界の諸団体に対する感謝のメッセージを採択した。これらの団体は日本のMDS、米国のUSLAWおよびAFSC、フィリピンのAKCDFおよびフィリピン・韓国そして世界中の自由を愛する勢力である。
 決議案の議題では、「IFCの活動停止と解散」の決議案が出席者に提示され、この課題をめぐる広範囲にわたる長時間の討論を経て、会議は投票により絶対多数で[英語版では全会一致で]IFCの解散を承認した。
 サミールは以下のように閉会の言葉を述べた。「IFCの解散は闘いと政治活動を打ち捨てることを意味するものでは決してない。すべてが終わったのでは決してない。この決定はわれわれの運動の利益のための、われわれが新たな段階の要求に応えられるようにするための政治的決定である。私は会議の休憩時間に、多くの同志がこの決定に痛みを表しているのを耳にした。これからどこへ向かえばいいのか、と聞く同志もいた。私はこう答える。IFCの設立はイラク労働者共産党(WCPI)によって発案されたものであり、私は2005年2月に政治局によりIFC創設に向けて活動するよう委任された。この数年、WCPIはIFCを支援し、政治的展望を指し示してくれた。今日私は、IFCの枠組みを打ち建てたWCPIは現在の情勢の要請に応える新たな闘争の枠組みを打ち建てることができる、と言いたい。私はここに残るが、新たな変化に対応しそれに影響を与えられるよう、私もまた変わらなければならない。私はみなさんと共にある。サミール・アディルを支持するという人々、WCPIの綱領・目的・政策に基本的に共感できるという人々は、WCPIに加入してほしい。しかし、WCPIへの加入を望まない人々をわれわれが見捨てるわけでは決してない。われわれはつねに同志たちを大切にしている。不一致点があっても、共にわれわれの活動を続けよう。次なる「章」は新たな形の運動と努力とメカニズム、新たな組織的枠組みを必要とする。腐敗・貧困・宗派主義に対する強力な民衆運動を組織することが、われわれの闘いの次なる段階だ。
 私はみなさんと痛みを共にするが、痛みの性質が違う。この痛みは女性が出産にあたって、新たな子どもを産み生命を引き継いでいく時の痛みに似ている」
 会場には大きな拍手が響き渡り、IFCスタッフで青年学生連合のリーダーの一人アリ・イサームによる熱烈な詩の朗読で会議は幕を閉じた。

イラク自由会議第13回中央委員会拡大活動者会議   2011122