2012年1月6日金曜日

米国の撤退とイラク占領の終結に関する声明

 イラク占領の9年を経て米国政府は1130日、バグダッド訪問中の副大統領ジョー・バイデンを通じて、イラクからの完全撤退を宣言した。バイデンはイラク政府の代表たちの出席の下、公式祝賀会を催した。
 イラク民衆が経験した苦しみに満ちた暗黒の9年間は、米政府によるイラク戦争・占領正当化の口実がすべて根拠のないものだったことを証明した。大量破壊兵器の存在からサダム政権のアルカイダとの関わり、イラクの民主化に至るまで、すべてウソだった。ブッシュ時代にすでに米政府は、イラクに大量破壊兵器はなかったと認めた。サダムとアルカイダの関係を示す証拠は何も見つからなかった。「民主主義」の普及について言えば、イラクは腐敗と難民流出において世界最悪クラスにランキングされ、経済・政治・医療・福祉などあらゆる面で失敗国家の一つになっている。加えてイラクは宗派主義・民族主義ギャングと組織犯罪集団、内外のマフィアが溢れんばかりに群がる国へと変えられてしまった。
 米軍イラク完全撤退宣言は、湾岸戦争以来「新世界秩序」を押しつけようとしてきた政策の失敗を米国が公式に認めたものだ。それは新たな時代の始まりを告げている。グローバル経済危機が吹き荒れる世界。権益の配分をめぐる諸大国、地域の諸勢力の間の抗争が燃え上がる世界。貧困と飢餓、失業に反対し、自由と人間の尊厳、平等を求めてアラブ・中東地域の国々で始まり、イラクにも広がった民衆蜂起が今や欧米の諸都市を席巻しつつある世界。この世界における新たな時代である。
 さまざまなギャング集団が自らの存在を占領へのレジスタンスと正当化し、のさばった占領の時期は、米軍の完全撤退によって終了する。占領の終結をもたらした力は、自由と平等、人間の尊厳に貫かれたよりよい世界をめざすイラクの革命運動の前進を後押しするだろう。
イラク人民万歳
自由万歳
搾取なき世界を建設する解放・革命運動万歳

イラク自由会議第13回中央委員会拡大活動者会議  2011122