2010年7月26日月曜日

イギリス下院でクレッグ副首相が「イラク戦争は違法であった」と発言

イギリス議会下院でクレッグ副首相(自由民主党)が、イラク戦争は違法であったと発言しました。一国の副首相が国会の公式の場で発言したわけですから、ブレア元首相たちを戦争犯罪人として訴追する法的根拠ができたということです。「イラクに対する違法な侵略」をやったのですから、当然裁判を受けなければなりません。
イギリスでイラク戦争検証委員会を開かせた反戦運動の力がこうした発言を引き出したと言えるでしょう。

(日本語訳:イラク市民レジスタンス連帯委員会)

イラク戦争は違法であったとニック・クレッグが発言。今こそブレアを法の裁きにかけよう

 ストップ戦争連合

http://stopwar.org.uk/content/view/2007/1/

ニック・クレッグ副首相は下院において、国中のどの居間においても常識となっていること、すなわちイラク戦争は違法である、と発言した。彼は今こそこの著しく破滅的な国際法違反をやった張本人たちを、何よりもトニー・ブレアを、確実に法の裁きにかけるために自らの権限を行使しなければならない。そうなって初めて我々はこのような違法な侵略行為が二度と繰り返されない保証を得ることができるのである。

ツー・サークルド ネット 2010年7月23日

 英国のニック・クレッグ副首相はデビッド・キャメロン首相にとっての最初の議会で発言に立った時にイラク戦争は違法であると発言して論議を引き起こした。

 そのためにトニー・ブレア元首相は戦争犯罪裁判を受けろという要求があらためて起こり、2003年のイラク侵攻に参加したイギリス軍も訴追を受けるかも知れないという懸念が出ている。

政府の当初の対応は、クレッグが首相の代役を務めているにもかかわらず、彼が個人的な立場で発言していると主張して、ジャック・ストロー元外相に「イラクに対する違法な侵略の全ての最も破滅的な決定を行った責任を取る」べきであると要求したことを大したことでないように見せることであった。

 「連立政権はイラク紛争が合法的なものであったかどうかということについての見解を表明したことはない。しかしそのことは政府の個々の要員が個人の見解を表明してはならないと言うことを意味しない。」とキャメロン首相のスポークスマンが言った。

 しかし、ロンドン大学のフィリップ・サンズ教授などの国際法学者は、水曜日の副首相の言説には、下院において政府を代表して発言していたのだから、法的な意味があると言った。

 「議会の中での政府の閣僚の法的状況に関する公的な言明は、イラク戦争が合法的なものであったかどうかについての見解を形成する際に、国際法廷が関心を持つ言明になるかも知れない。」とサンズ教授はガーディアン紙に語った。

 自由民主党の指導者であるクレッグは自らの党の長い歴史を持つ戦争反対の意見を実質上声に出したのであったが、その一方でキャメロンは保守党の多数派と同様にブレア政権と一緒になって2003年の対イラク戦争に支持の投票をしたのである。

 息子のトムがイラクで殺されたレッグ・キーズは下院でのクレッグの発言を根拠にしてブレアに対する訴追を開始する準備をすると言った。

 「楽しみにしていますよ。非常に満足がいくことになりそうなので十分な資金を集められるか真剣に検討します。」とキーズはデーリー・メール紙に語った。

 2003年のイラク侵攻時の国防委員長のボイス上院議員も、誰が訴追を受けようとも、前線の兵士ではなくブレアでなければならないと示唆した。

 「法務長官はイラク戦争は合法的であると私に断言しました。私はその書類を持っています。もしも訴追が行われるならば、そう断言したことは、ブレア氏が兵士たちの面前で被告人席に着く事から始めなければならないと言うことなのです。」

 イラク検証委員会に提出された証拠が示すところでは、ゴールドスミス法務長官は国連決議1441号が「国連安全保障理事会によってさらに決議がされないのであれば軍事力行使の権限を与えるものではない」と政府に前もって助言していたのだが、その後のイラク侵攻直前になって対イラク戦争の合法性についての考えを変えていた。