2010年6月9日水曜日

イラク石油労組がバスラ港湾労組に連帯

組合指導者の不当配転などの攻撃に直面しているイラク港湾一般労組に対して、イラク最大の石油労組である全イラク石油労組連合のハッサン・ジュマ議長が連帯アピールを送りました。、


(日本語訳:イラク市民レジスタンス連帯委員会)

イラクの石油労働者は政府の弾圧に直面しているバスラ港湾労働者を賞賛し支持する

ハッサン・ジュマ 全イラク石油労組連合議長

全イラク労働者評議会労働労号組合連合[GFWCUI]の兄弟姉妹のみなさん

私たちは月曜日にイラク港湾一般労働組合のデモの先頭に立ったみなさんの絶え間ない貴重な努力を祝福します。実際それはバスラの全ての労働者にとっての誇りでした。

私たちはこの重要な産業部門で権利獲得を要求する港湾労働者と組合指導者を支持し賞賛します。

私たち全イラク石油労組連合は仲間の港湾労働者と同じ陣形の中にいるのです。そして私たちがみなさんの闘いを支持するのは、沈黙していては不正義が栄えるからです。もしも私たちが声を上げなければ、たとえ私たちが要求は正当であると知っていても、労働者を侮辱したがっている連中が成功してしまうでしょう。

イラク労働運動万歳

イラク労働者に栄光あれ

ハッサン・ジュマ 全イラク石油労組連合

米軍がバスラ港湾労働者を弾圧

IFC(イラク自由会議)の構成団体であるGFWCUI(全イラク労働者評議会労働組合連合)に加盟しているバスラ港湾一般労組の賃上げ要求デモに対して、政府経営のイラク港湾会社は組合指導者を1000キロ離れたモスルに強制配転し、バスラ市長は何と、アメリカ占領軍を動員して弾圧にかかっています。


 グローバル資本の石油略奪にとって、IFCと占領軍撤退の闘いを進める全イラク石油労組、GFWCUI、港湾労組は頭痛の種です。石油労働者と港湾労働者がストライキを打ったら石油の産出も運び出しもできなくなるのです。

(日本語訳:イラク市民レジスタンス連帯委員会)

バスラの港湾労働者のデモに対してアメリカ軍が動員され、組合指導者は1000km離れた地に配転された

アムジャド・アリ 全イラク労働者評議会労働組合連合北米代表

バスラで5月7日に始まったデモは今日さらに拡大したが、労働者と組合指導者に対する新たな脅迫が行われ、職場から1000km離れた地への配転が行われた。

バスラ港湾一般労働組合(全イラク労働者評議会労働組合連合[GFWCUI]の加盟組合)の指導者によってなされた呼びかけに応えて、イラク港湾会社の数百人の労働者が賃上げと生活状況の改善を要求して、2010年5月7日にストライキに入った。

連絡を受けてすぐにイラク港湾会社の社長は米軍に支援を求め、米軍はすぐに到着して現場を立ち入り制限にして社長を警護し、さらに社長はイラク軍を送りつけて包囲し、デモ隊を威嚇した。

不可解な対応であったが、バスラ市長が組合指導者のヒルマン・カーギム、アリ・クフザイヤー・アッバス、カディム・カリームに面会を求め、「君たちは外国の問題を悪用している。要求を言い張りデモを続けるなら逮捕する」と脅迫した。

しかし組合指導者たちは、「我々は労働者の利益以外の何の問題とも関連などさせていないし、ストライキを続ける」と宣言した。一方、軍隊の司令官が会社の社長の代わりに組合指導者との面会を求めたが、組合指導者たちは「司令官は労働者とは関係がない」と言って彼の要請を拒否した。組合がこういう態度をとったために、市長は脅迫を引っ込めることになった。市長は会社の社長のいる場で交渉を行うと約束した。しかしその次に社長は2010年5月28日に予定されていた交渉の場に来なかった。

2010年、組合指導者はイラク港湾会社の社長と会ったが、社長は組合代表者たちを脅迫し、「ストを続けるなら悲惨な運命が待っているぞ」と宣言した。組合代表者たちはモスル(バスラから北に約1000km)のイラク鉄道会社への配転命令を受けた。

我々は全世界の全ての労働組合連合と労働組合に、闘うバスラ港湾一般労組の代表者たちを支援するように訴える。

イラク石油労働者に不当配転攻撃

全イラク石油労組の賃上げ要求に対してイラク政府は組合指導者5人をバスラからバグダッド本社に強制配転して、仕事も与えずにいます。グローバル資本の石油支配にとって労働組合は「悩みの種」なのです。

(日本語訳:イラク市民レジスタンス連帯委員会)

石油省がバスラ精油所の抗議行動の指導者をバグダッドに配転

ベン・ランドゥー  イラク・オイル・レポート
2010年4月25日

バグダッド:
イラク石油省は、2007年以来のボーナスを当然支払われるべきだと主張する労働者によって行われた一連の抗議行動に対抗して、南部製油会社の5人の組合指導者をイラク採掘会社のバグダッド本社に配転した。

労働者は政治家と石油省職員に、家族がまだ住んでいるバスラに戻せと訴えてきた。彼らは、ホテルの部屋代を自費で払わざるを得ず、仕事は何も与えられていないのにイラク採掘会社(IDC)の本社オフィスで仕事もなしで座っているだけだと訴えている。

これがイラクの石油労働組合と組合は非合法だとみなしている政府との間の一連の紛争の最新のものである。

南部精油所会社のスポークスマンのカセム・ラマダーンは2月以来行われている抗議行動の一つが「大混乱になった。エアコンが破壊され、精油所の仕事が止められた。」と言った。

彼は、5人の労働者は破壊活動とされること自体には責任はないが抗議行動の指導者として処罰を受けたのだ、と言った。「ニュースが石油省と石油大臣に届くと、SRC[南部製油会社]の5人のスタッフをIDCに配転するという決定が下された。」とラマダーンは言った。

組合は、労働者は毎年SRC[南部製油会社]が上げる利益の20%を得ることになっているのに、2006年以来、利益の配分を受けていないと述べた。4月いっぱい続いた交渉は時々止められて、そのあと抗議行動が起こったのである。

「会社は約束に従わなかったしSRC労働者とスタッフに対する責任を果たしませんでした。」と配転された5人の労働者の1人であるアラー・アル・バスリが言った。彼は、SRCの経営陣が労働者への支払いを減らそうとして会社の2009年の2300万ドル[約23億円]の利益を半分に過小報告した、と言った。

組合は、彼らの契約が法律上、労働者に利益の再分配を命じていると主張しているにもかかわらず、SRCは契約は労働者に対する配分について決定するとなっているだけだ、と言った。

組合はついにラマダーンと会計部長のカリマー・フセイン・ザジルと経営財政部長のサード・モーシン・アルワンと社長のアブドゥル・フセイン・ナーシルの解任を要求した。

バスリとイブラヒム・ワフドとマジド・アリとカザール・ハマウドとファラジ・ミスバンが今週初めにナジャフの政治家と会った。バスリは、アヤド・アラウィのイラキヤ政治ブロックとサドル党に率いられたイラク国民連合とイラク・イスラム最高評議会、そしてヌーリ・アル・マリキ首相の法治国家連合の幹部と連絡を取ったと言った。

バスリは、法治国家連合は前向きな返答をしなかったと言った。「それは驚きではありません。(イラクの石油大臣のフセイン・アル・)シャハリスターニは法治国家連合出身ですから。」

SRCの組合員は5人の配転に対して抗議行動を呼びかけているが、バスリは自分は労働者が逮捕されることを恐れている、と言った。

イラク南部の石油部門全体で行われた過去の抗議行動やストライキでは、労働者は治安部隊に包囲され、指導者には逮捕令状が発行された。政府当局は、ストライキを続けることが国家を混乱させるテロか他の手段であると見なしてきたのである。

2003年のアメリカによる侵攻以後も効力を持ち続けている数少ないサダム時代の法律の一つは、大部分の政府職員が独立した労働組合を結成することを禁止している。石油労働者は他の産業と同様に、この法律を無視して、かつては政府によって支配されていた自分たちの労働組合を即座に自分たちの手中にした。

2005年のイラク憲法は労働者の権利を尊重する新しい労働法の制定を要求しているが、労働法はイラク国民議会に一度も提案されたことはない。

「私たちはいつも石油大臣や石油省や閣僚会議の事務局長から、非合法で憲法違反の団体、労働組合であると非難されます。」「彼らは私たちの活動を規定する法律ができなければならないとも言います。しかし、彼らがこの法律を作るのはいつになるのでしょうか?あと7年も、それ以上もかかるのでしょうか?」とバスリは言った。

イラクの石油省と産業省は労働組合と正式に交渉するなという命令を出した。労働組合は政府にとっては悩みの種となっていて、教員や医療労働者が賃上げを勝ち取った全国連帯ストライキなど、ほとんどが成功した抗議行動を展開しているのである。

2007年と2008年を通じた石油部門での抗議行動は、労働組合が外国企業にあまりに多くの支配権を与える物だと見た石油法案の制定を引き延ばしたナショナリズムを高めることに貢献した。
「我々は仲間と共に活動を続け、労働者の権利を守るという原則については決して妥協しません。」とバスリは言った。
※イラク・オイル・レポートのバスラとバグダッドのイラク人スタッフがこの記事に貢献したが、安全上の理由から匿名とする。